作家、演出家輪島貴史が独自に作成した
舞台の演出理論です。
【演出理論~わたしとあなたの教科書~】
作 輪島貴史
●0次元演出
まだ始まっていない0の状態だが、正確には「始まる直前」
ビジュアル:暗闇(暗転)
サウンド:その作品の幕開けに適した音楽(通称M0)
●1次元演出
数字だけで構成される状態。
ビジュアル:年月日などの日付の表示
サウンド:その数字に直結する時代を連想させる音楽
●2次元演出
面で表し、1次元演出のような観客に脳内で連想させるものではなく、平面の絵で可視化したもの
ビジュアル:絵、旗
サウンド: ビジュアルの存在感を立たせるBGM
●3次元演出
左右の動きに加えて、奥行きと高さがある立体の状態
ビジュアル:台に乗る等といった高さを使い、前後の移動といった遠近法
サウンド:空間の広がりや移動を表す効果音や躍動感のあるBGM
●4次元演出
3次元に加えて時間の経過を表した状態
ビジュアル:朝から夜、季節の移ろい等を表す照明効果、舞台美術の変形
サウンド:時間の経過を表すのに適した音。時計の針の効果音や、季節を感じさせる音楽
※1~4次元までは、「足していく」が、5次元からは「無くしていく」
●5次元演出
4次元の状態から、物質を無くした状態。(独白、モノローグ等)
ビジュアル:物質界ではなく精神世界等を表すため、空間の境目をあいまいにさせる照明効果。暗闇にサス等
サウンド:物質、質感を感じさせない音。瞑想に適した音楽等
●6次元演出
5次元の状態から、「個」や「自我」といった性格や人格を無くした状態。
特定の誰かを表さない状態、1~2人称を無くした三人称のみの状態、黒子等
ビジュアル:黒子など、なるべく原色を使わない全身統一の衣装等
サウンド:現実世界や自我を感じさせない音(具体的には無し、選曲センスが試される)
●7次元演出
人間そのものである事を無くした、超越した状態、神や仏の世界
ビジュアル:人間の世界ではないため、特定の効果を表す色を使わない、光のみの状態
後光が指すような後ろからの光や、客席に向かった目つぶし等
サウンド:神秘的、宗教的な音(瞑想に適した曲に近いため、5~6次元の音楽と類似する)
●8次元演出
光すらも存在しない、暗黒の世界
ビジュアル:完全暗転、また闇を表すに適した時間が必要
サウンド:無音(音があると、闇や無の世界観を表す事が困難である)
●9次元演出
存在が無くなった状態。闇すらも無い、何も無い状態
暗転という闇の手法を使わないため、人も物も、何も無い状態等
ビジュアル:設営前の客席も舞台も何も無い状態(どこまで無くすかは演出次第)
サウンド:無し
●10次元演出
無し
ビジュアル:無し
サウンド:無し
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